日本ハム「シャウエッセン」

あの味をアメリカで


 「パリッ」という食感とともにジューシーな肉汁があふれ出し、噛めば噛むほどに旨みが口の中に広がる。誰もが想像する通り、ウインナーのことだ。1985年の販売開始から31年目を迎えたことし、米国での販売挑戦に踏み切ったロングセラーブランド「シャウエッセン」。日本で最も食べられているウインナーのおいしさの秘密に迫る。

先見の明が光る商品作り


 数あるウインナーブランドの中でも日本で人気、売り上げともにトップを走るのが、日本ハムの「シャウエッセン」。ドイツ語で「シャウ」は「観る」、「エッセン」は「食べる」を意味し、食卓のエンターテイメントを彩る存在になって欲しいと同社が名付けたブランド名である。
 発売当初、弁当のおかずとして使われる、魚肉などの混ざった〝赤い〟ウインナーが主流の日本のマーケットには、肉の旨みを堪能できるポーク100%の本格的なあらびきウインナーはほとんどなかったという。70年代後半、日本にもいよいよ国際化の波が押し寄せたころ、「これからは本場の味を求める時代がくる」と食肉加工業界トップの日本ハムは時代がもたらすであろう食の変化にいち早く目をつけ、本場ドイツに負けないウインナーの開発に着手した。
 本場ドイツの製法を参考にしながら、開発チームは試行錯誤を重ねた。手本となる海外のウインナーは細びき肉が一般的に使用されていたが、同社は一定のレベルでばらつきなく製造し、さらに肉の旨みを最大限に生かすべく、敢えてあらびき肉を採用した。肉の粒が大きいため味のごまかしのきかないあらびき肉と羊腸の組み合わせ、また製造の段階でボイルではなくスモークする製法を取り入れることで、日本人の繊細な舌にも合った深い味わいと「パリッ!」という食感を同時に実現し、結果、同社を代表する大ヒット商品となった。この「パリッ!」が、今ではおいしいウインナーの代名詞ともなっており、シャウエッセンはこれまでに累計販売本数300億本という驚異的なセールスを記録している。


変わらぬおいしさと、「黄金の3分間ボイル」


 食品に限らず、市場に出回る商品の多くは、時代と消費者の嗜好の移り変わりに合わせて変化させていくことが多い。しかしシャウエッセンは、発売から30年経った今でも発売当時と変わらない原材料と製法で作られている。これまでただの一度もレシピを変えたことがないのだ。それは開発の時点で日本人の口に合うようにと、使う肉の種類から調味料の使用方法、製法まで、徹底的なこだわりを持って生みだしているという自信があるからにほかならない。
 肉の旨みが凝縮されているので、普段の料理に使う肉の代わりとしても使え、さらに軸のしっかりした味と食感というはっきりとした特徴を持っているため、シンプルに野菜と和えたりソースをアレンジするだけで(もちろんそのままでも)立派なおかずの一品となる。さまざまなシーンで食されるシャウエッセンは、同社が最初にイメージした通り、この30年でしっかりと食卓で地位を築いている。そして同社は、米国でも〝本物のおいしさ〟が認められ、食卓に並ぶよう勝負を賭けていく。
 そんなシャウエッセンを最もおいしく食べられるのは、「黄金の3分間ボイル」。焼くのではなく、ボイルすることでおいしさが十分に引き出されるのがシャウエッセンの特徴。お湯の中で茹でることにより360度全方位から均一に温めることができる。すると、肉の中に閉じ込められていた旨みと脂が溶け出して、皮がパンパンに張り詰める。さっきまで鍋の底に沈んでいたシャウエッセンが徐々に浮いてきて、鍋の中で踊り出した時がちょうど食べごろ。これが時間にして3分というわけだ。最高の「パリッ!」を味わいたいのなら、冷めないうちにすぐに食べよう。
 今ニューヨークでは空前のクラフトビールブーム。お気に入りのビール片手にシャウエッセンを頬張れば、普段から〝おいしいもの〟に囲まれているニューヨーカーもきっと満足するだろう。これまでの30年と同じく、これからも変わらぬおいしさで食べることの感動を伝えてくれるシャウエッセンに期待したい。


www.shoprite.com

www.redondos.com/schauessen
800-671-5444