ニューヨーク市議会は9月30日、合成大麻「K2」の販売を違法とする条例案を44対0で可決した。
同条例案は、K2の販売を罪とし、違反者に最高1年間の実刑および5万ドル(約598万円)の罰金を科すというもの。製造および販売は違法となるが、現在のところ所持だけでは処罰の対象とならない。
「スパイス」などの別名でも知られるこの合成大麻は、1パック1〜5ドルと低価格で、容易に手に入れることができ、薬物検査に反応しないためホームレスなどを中心に需要が急激に伸びているという。しかし、K2は科学的に作り出された薬物であるため使用した際の危険度が高く、ことしに入ってから4500人が緊急医療室送りとなっている。
大麻の合法化を支持する市議会議長メリッサ・マーク=ビベリト氏は、「大麻は合法化されるべきだが、K2は生命を脅かす大変危険な麻薬だ」と警告している。ニューヨーク州では2012年から既にK2の指定成分による製造と販売を違法とする州法が制定されているが、罰金が500ドルと低いうえ、製造業者は成分を変更し法の適用を回避しているという。一方、市の条例下では、成分が異なってもK2の類似品は全て規制の対象となる。
市議会は同日これに加え、K2を販売して違反処分を2回受けた店舗のタバコ販売免許取り消しと、3回受けた店舗の営業停止を定める条例案についても満場一致で可決している。