Dr.クララ・リー Dr.リーのデンタル日記 毎月第1月曜日掲載 Vol.43 Dear Diary… :)!

 先月のコラムの続き… 初めて当院に来たHさんは、新しく作った入れ歯に問題がありました。彼女は入れ歯を常に清潔に保つために、いろいろ試してみたもののすべて失敗に終わり、せっかく作った入れ歯を再度作り直すことなるのではないかと、心配していたそうです。
Hさんが試みた入れ歯掃除:歯磨き粉だけで10分磨く→歯磨き粉に塩を混ぜ10分以上磨く→洗浄力がより強力な歯磨き粉で磨く→漂白剤に浸す→食器洗い機へ。
 以上の経過を経て彼女の入れ歯は最終的に青く変色してしまいました。彼女はどうするべきだったのでしょうか?
 実は、入れ歯をきれいに保つのは簡単です。入れ歯掃除を始める前に、入れ歯を落とした時のことを考え、カウンターもしくはシンクにタオルを置くことをおすすめします。
 まずは水洗いで歯垢を洗い流し、歯磨き粉を使わずハンドソープ使って、毛先が柔らかい歯ブラシで傷を付けないように軽く磨いてください。入れ歯の表面に傷があると、染みが入りやすくなり、匂いの原因となるバクテリアが繁殖しやすくなるからです。漂白剤や家庭用クリーナーは絶対に使わないでください。洗浄力が強力な化学製品は、入れ歯の素材を弱め変色の原因になります。熱湯は入れ歯の変形の原因になるため、常に水を使ってください。
 夜寝る前に入歯掃除をするときは、自分の歯や歯茎、舌も忘れずによく磨きましょう。乾燥を防ぐため、夜間に入れ歯を溶液の中に浸すことはいいことです。でも必ず入れ歯用の溶液を使用してください。
 最後のお願いとして、絶対に食器洗い機には入れないでください。変形、もしくは壊れる恐れがあります。
 もうみなさん、おわかりですね? Hさんは入れ歯をきれいに保ちたい一心で、本来使用すべきではない化学製品などを使い、入れ歯を傷めていたのです。
 変色してしまった新品の入れ歯を再度つくり直さなければいけないと思っていたHさんですが、幸いなことに当院で磨き上げ、元通りのきれいな入れ歯に仕上げることができました。彼女の喜ぶ笑みは忘れられません。歯科学ってすばらしいと思いませんか?


Waterside Dental Care

Dr. クララ・リーClara Lee, DDS

ニューヨーク大学歯学部卒業。ニューヨーク大学ブルックデール病院でチーフレジデントを経て、13年以上にも及ぶ臨床経験は、一般歯科、コスメティック、インプラントを含む。インビザライン認定医。Waterside Dental Care医院長として古山医師と共に、多くの日本人患者を治療。Dentistryをこよなく愛している。
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