学区変更計画で保護者論争 富裕層生徒が貧困層学区へ

 ニューヨーク市教育局(DOE)が提案したブルックリン区の学区変更計画が、保護者の間で議論を呼んでいる。
 DOEは、人気の高いブルックリンハイツのPS8の生徒数削減のため、同学区の縮小を計画しているが、これが実行されるとダンボおよびビネガーヒルに暮らす富裕層家庭の生徒の一部が、ニューヨーク海軍造船所に隣接する低所得者用市営住宅「ファラガット・ハウス」に近いPS307に通うことになる。現在、PS8に在籍する生徒に影響はないが、新年度に入園する子どもから新学区が適用になるという。
 幼稚園入園前の幼児から5年生までの生徒が通うPS307では、全生徒の90%が黒人またはヒスパニックで、そのうち約90%の生徒の家庭が公的支援を受けて暮らしている。一方、幼稚園児から8年生までが通うPS8は、全生徒の66%が白人またはアジア人で、公的支援を受けている家庭は15%だという。同計画が実行されても、PS8の人種構成にはさほど影響はないが、PS307では、黒人及びヒスパニックの生徒の割合が90%から約55~65%へと下降する。
 PS307の保護者のなかには、自分たちで努力し築き上げた学校によそ者を入れるのは反対だという意見もあり、PS8の保護者からは、優秀な子どもを平均ランク以下の学校へ送って何の解決になるのかと疑問の声が聞かれた。

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