女性市長の髪が紫色に DV防止を訴え

 ドメスティック・バイオレンス(DV、家庭内暴力)防止月間である10月にあたり、ニュージャージー州クリントン市のジャニス・コバック市長がDV防止キャンペーンのシンボルカラーである紫色に自身の髪の毛を染めたことを9月30日、自身のフェイスブックに投稿し注目を集めている。
 取材に対し、コバック氏は「なぜ私の髪が紫色なのかと誰かが尋ねれば、それがきっかけでDVについての話ができる。DVがいかに悲惨なことかを伝えることで、悪循環や環境を変えられる」と述べている。自身もかつて配偶者からDVを受けていたというコバック氏によると、女性の4人に1人はDVを経験しているにも関わらず、社会におけるDVの理解は依然として低く、腫れ物にでも触れるかのようにこの話題を避けようとする人も多いという。「すぐには無理でも、徐々に多くの人にDV被害の現状や深刻さを知ってもらい、被害を防止できるよう対策を考えたい」と話す。
 市長就任前、ニュージャージー州の女性問題事務局長を務めていたコバック氏は、「DVは社会的地位や人種、地域など関係なく全ての人に共通する問題」と述べており、自身の経験も踏まえて、助けを求めている被害者に寄り添いたいという。