パンプキンパイのない感謝祭? 大雨でかぼちゃ大不作

各製造業者は原材料の不足による商品の値上げをしていないため、 小売業者の間に危機感は広がっていない(photo: skeeze)


 米国におけるかぼちゃの主要産地である中西部がことしは度重なる大雨に見舞われたため、かぼちゃの生産量が例年を大きく下回り、缶詰製造業者が11月の感謝祭を前に、かぼちゃペーストの缶詰を十分に供給できない可能性が出ている。
 国内かぼちゃ生産量の90%を栽培するイリノイ州では、缶詰製造業者間で原材料のかぼちゃを奪い合う事態となっており、缶詰入りかぼちゃペーストの製造・販売最大手リビーズ・パンプキンも、感謝祭の需要を賄うまでの原材料は確保できても、ホリデーシーズン以降については不透明な状況だという。同州のある農園所有者は「35年間かぼちゃを栽培しているが、2度作付けを行い2度とも大雨で流される事態は初めてだ」と嘆いており、農業専門家も「在庫があるのは今のうちだけだろう」と警告している。米農務省の調べでは、リビーズ・パンプキンだけでも毎年900万皿分のパンプキンパイを賄う計算になるという。
 かぼちゃペーストはパンプキンパイに不可欠な材料で、米国人にとってパンプキンパイは、感謝祭からホリデーシーズンにかけて食卓の定番料理の1つになっている。