米国土安全保障省(DHS)は14日、ニューヨーク州でのリアルID法の施行開始を1年間延長することを同州自動車局(DOM)との間で合意した。
同法は、国内線旅客機に搭乗する際や政府関連施設に出入りする際の身分証明書となる、運転免許証およびIDカードの取得基準を厳格化し、テロリストなどが不正に免許証を取得することを防止するため、2005年に連邦議会で可決された。
DHSによると、ニューヨーク、ニューハンプシャー、ミネソタ、ルイジアナの各州、また米領サモアの運転免許証は、同法が定める連邦基準を満たしておらず、旅客機に搭乗する際のIDとして不十分であるとされ、ニューヨーク州民は来年の同法施行日より、国内線旅客機に搭乗する際にもパスポートを提示するか、DOMで30ドルの追加手数料を支払い身元確認が強化された免許証(EDL)またはIDカードの発行を受ける必要性に迫られていた。これを受けDOMは先月、同法の施行延期を求めDHSとの話し合いを続けていると発表していた。
EDL免許証の交付を受けるには米国籍が必要となるため、同法施行日以降、米国人以外は、国内旅客機に搭乗する際にもパスポートの提示が必須となる。EDL免許証は、カナダやメキシコからの出入国の際にパスポートの代わりとして使用できる。