もはや時間通りという観念を持つことが難しいほど、正確でないサービスのニューヨーク州都市交通局(MTA)だが、信号機が勘違いした実際の電車車両でないものが、遅延の理由として考えられることが分かった。
MTAによると、全体の遅延のうち約2割が信号機のトラブルによるもので、その多くがこの“オバケ電車”のために起きていると考えられている。実際に電車車両でないものには、線路上に置かれた小さな鉄くずも含まれ、ワイヤー状のものや、アルミホイルのくずの場合もあるという。
電車車両は400トンもある大きな物体だが、信号機がどれくらいの障害物のサイズで赤信号を発するかなどは、事前に把握するのは難しいという。MTAの担当者は、「安全面を第一に考慮した場合、信号機は電車を止める必要がある」と述べている。
また、信号が赤だったとしても車掌は自己の判断で信号機の誤作動だと分かれば、運転を続行することができる。しかし続行には許可が必要で、毎分35マイル(時速約56キロメートル)で通常走っているところ、毎分10マイル(時速約16キロメートル)で走らなければならないと定められている。こうして、電車は遅れているのだ。
ことしに入ってから7月までに、これまでと比べ平日ではおよそ12%多く遅延が発生している。数にして、30万7000件から34万5000件だ。週末に至っては44%増えており、6万3000件から9万1000件になった。