“犯人に似た服装”で誤認逮捕 警官が証拠確認せず6週間拘留

 服装が似ているという理由で誤認逮捕され、ライカーズ島刑務所に6週間拘留されていた男性が19日、ニューヨーク市と市警察(NYPD)の警官を相手取り、連邦裁判所に損害賠償を求める訴えを起こした。
 マンハッタン区ヘラルドスクエアの百貨店メイシーズで、商品在庫管理係として勤務していたデビッド・オーウェンズさんは2012年10月23日午前3時ごろ、仕事を終え地下鉄34丁目駅から1番線に乗ったところ、フード付きの服を着た黒人の男にバックパックを盗まれたという白人女性が、オーウェンズさんが犯人であると証言したため、窃盗の疑いで身柄を拘束された。
 盗難事件が起きたとされる同午前2時28分には、オーウェンズさんはまだ仕事中であったため、その証拠を示すタイムカードを見せ、確認のために上司の電話番号を教えたが、アンソニー・フランカビラ警官はこれらを無視した。
 オーウェンズさんによると、盗難に遭ったという女性は麻薬か酒に酔っていたようで、正常な状態ではなかったという。逮捕されたオーウェンズさんは重窃盗罪で起訴され、3550ドルの保釈金が支払えず拘留が続いたが、6週間目に証拠不十分で釈放された。オーウェンズさんは、人権を侵害され、悪意訴追の被害者になったと主張している。
 なお、同警官は14年4月に起きた不当逮捕事件にも関与している。

Ricardo Camacho