米東海岸のニューイングランドとニューヨーク州に生息するニューイングランド・ワタオウサギ(New England Cottontail)が絶滅の危機に瀕しており、クイーンズ動物園が繁殖の手助けを進めている。
児童文学の「ピーターラビット」でおなじみのこのウサギは、灰色と茶色の混ざった体毛に、白くて綿玉のような尻尾が特徴で、体長は15~17インチ(約38~43センチメートル)ほど。ことしは辛くも絶滅危惧種の指定を逸したが、1996年から絶滅を危ぶまれる希少種のウサギだ。
専門家によると、ニューイングランド・ワタオウサギは繁殖力が比較的強いというが、近年生息場所が減少し捕食動物の餌食となることが増え、その数は60年代と比べて86%ほどに落ち込んでいるという。
クイーンズ動物園のスコット・シルバー園長は「生態系を維持するためには、どんな種類の動物も絶滅させてはならない」と指摘し、保護プロジェクト初年度のことし、同園では11匹のニューイングランド・ワタオウサギを繁殖させ、ロードアイランド州とニューハンプシャー州の荒地へ放したことを報告した。
現在同園では4匹のオスと5匹のメスが交尾の期間を終え、雌が妊娠の兆候である巣作りを始めたことから、再び新たな生命の誕生が期待されている。