全米で4年と8年生を対象に2年ごとに行われる学力評価テスト(NAEP)の結果がこのほど発表され、両学年とも過去25年間上昇を続けていた数学(算数)の点数が初めて低下したことが分かった。
テストを実施した国立教育統計センターの発表によると、前回2013年と15年を比較すると数学の全国平均点は4年生で2点、8年生で3点減少した。一方、英語読解力では、同時期に4年生は横ばい、8年生は3点の減少であった。
同センターによると、これまで数学に関しては両学年とも1990年以来1度も点数が下がったことはなく、NAEPの責任者ペギー・カー氏は「結果に大変驚いた」と述べ、「この先もこのような状態が続くかどうかを見極める必要がある」としている。
今回の結果を受け、教育関係者からは原因を探る声が上がっている。例えば不景気により家庭の所得が減少し、子どもの教育に影響が出ているといったものや、数学のコモンコア導入など全国的にカリキュラムの変更が行われたため、子どもたちがそれにまだ慣れていない、などというものだ。また、現行のカリキュラムとNAEPの内容に差異が出てきたため、NAEPの見直しが必要だとする声もある。