ニューヨーク市議会に29日、市の補助を受けた低所得者用住宅を禁煙とする条例案が提出された。
クイーンズ区選出の民主党市議会議員ドノバン・リチャーズ氏が提出した同条例案によると、新しく建設されたビルでは禁煙が賃貸契約の条件に含まれ、違約金を科される可能性も出てくる。また既存のビルへの対応については、ビル・デ・ブラシオ市長執務室と話し合いが進められているという。
市長は、新設および既存を含め市に20万戸の低所得者用住宅を確保することを公約しているが、これが実現され同条例案が可決されれば、全米で最も大規模な住宅禁煙規定となる。しかし、家賃を法規制された住宅の住人らはニューヨーク州法に保護されているため、これら住宅の家主は禁煙条例に違反したことを理由に賃借人を強制退去させることができないという。
ブロンクス区にある124戸の低所得者用住宅、ブルックリン区にある85戸の住宅では、既に喫煙が禁止されている。それらのうちの1つであるブルックリン区クラウンハイツの「ユーティカプレイス」では、各部屋、共有部分、ビルの外構25フィート(約7.6メートル)内が禁煙となっている。
カリフォルニア州ロサンゼルス市、サンディエゴ市、アリゾナ州フェニックス市では、公共住宅での喫煙が禁止されている。ニューヨーク市保健衛生局は、副流煙の危険性を挙げ、同条例案を支持する姿勢を示している。