座席に足乗せ、あえなく御用 調べてみたら指名手配犯

 マンハッタン区を走っていた地下鉄車内で10月28日、殺人事件で指名手配となっていた男が逮捕された。足を座席に乗せていたことでニューヨーク州都市交通局(MTA)の警官の注意を引いたことがきっかけだった。
 グレゴリ—・ホワイト被告(43)は同日午前2時半ごろ、同区コロンバス・サークルに停車した、A線下りの車両内で両足を座席に乗せていたことを理由に、警官から職務質問を受けた。警官が同被告の氏名を調べたところ、ブルックリン区コニーアイランド西端部にある高級住宅地シー・ゲイトでことし1月、ビクトリア・ハモンドさん(当時58)が殺害された事件の容疑者として指名手配となっていた男と同一人物であることが分かった。
 ハモンドさんは、西37丁目のマーメイドとネプチューン・アベニューの間にある自宅のリビングルームで刺殺され、全裸で発見されていた。ホワイト被告は、ニューヨーク市警察(NYPD)ブルックリン南署の殺人課でハモンドさん殺害への関与を認めたが、口論になった際にハモンドさんが容疑者をナイフで刺そうとしたため、自分の身を守るためにハモンドさんを刺した、と正当防衛を主張している。凶器のナイフは見つかっていない。
 同被告は、第2級殺人および暴行、武器の不法所持罪で同区刑事裁判所に起訴された。同被告には2回の逮捕歴があるという。