うっかり表記は罰金対象にならず 求人広告での差別表記

 特定の性別や人種を指定する飲食店などの求人広告についてニューヨーク市人権保護委員会は2日、初犯である場合は罰金ではなく、注意勧告だけで済ませるよう処分を緩和した。
 同会によって改定されたのは「ウェイトレス」や「ホステス(女性支配人)」など、性別を指定する差別的な求人広告を掲げた店に対する処分案。これまでは求人を特定の性別に制限する広告はどのような理由があろうと人権侵害だとして罰金刑に科されてきたが、性別を指定することを差別だと気づかずに求人広告を掲げる飲食店が多いため、今後は初犯かつ差別的な求人内容が意図的ではなかった場合は、罰金ではなく注意勧告に留めることを決定した。
 最近ではブルックリン区にあるレストランが「女性のバーテンダー」および「男性のピザ職人」を求む広告をインターネットに記載したり、人種を指定することが違法だと知らずに「インド人のウェイター」を求む広告を出したインド料理店が罰金5000ドルを科されていた。「知らずに行ったことに対し多額の罰金が科せられては、地元の小さなレストランを閉店に追い込みかねない」と、同委員会は今回の処分緩和に至った理由を説明している。

ニューヨークを含む全米50州では、求人の際に出身国や年齢、信仰宗教、障がいの有無、市民権の有無なども問うことが禁止されている (photo: _Bunn_)