ニューヨーク市警察(NYPD)の非番の警察官ら、およそ1000人が5日、今回新たに提示された新契約は不当かつ屈辱的であるとし、労働組合と警察当局との間の調停者である仲裁人の自宅に集結し、異を唱えた。
同日朝の7時ごろ、仲裁人のハワード・エデルマン氏の自宅があるマンハッタン区アッパーイーストサイドに警察官と労働組合のメンバーらが集まり、抗議した。なかには“黒い棺”を抱えて、怒りのスローガンを口にした者もいる。エデルマン氏が自宅にいたかどうかは、分かっていないという。
この労働組合に所属する、およそ2万4000人のメンバーは、2010年から契約書なしに職務に当たっており、新たに今回作成および提示された契約の草案に怒りを隠せない。契約の内容として提示され、特に警察官らの逆鱗に触れたのは、昇給は2年に1度で1%アップという項目だ。
この労働組合の代表、パトリック・リンチ氏は取材に対し、「1%は到底受け入れることのできない数字だ。日々命をかけて職務に当たる自分たちの仕事を正当に評価し、われわれの権利を守る契約書の作成をただちに求める」と述べた。昨年だけで市では4人の警察官が殉職している。
ニューヨークのビル・デ・ブラシオ市長は、「これはまだ草稿で、内容の何一つ最終決定されたものではない」と発表している。最終版の契約書の内容は、来週にも再度提示される予定だ。