スタバのホリデーカップ論争 文化の多様性の矛先は

 米スターバックスが、ホリデーシーズン用のカップからクリスマスをモチーフにした言葉やイラストをはずし、赤いカップに同社のロゴだけのシンプルなデザインを発表したことで、議論が過熱している。その熱波は、宗教そして政治にまで影響を及ぼしている。
 同社は8日、“ホリデーシーズンの物語を各個人がつづってほしい”という願いを込めて、デザインを決定したと説明した。同社は過去のホリデーシーズンカップには、トナカイやクリスマスのオーナメントを模したものなどキリスト教の祭りであるクリスマスのデザインを施してきた。ことし初めて、モチーフを排除したことで、「クリスマスに戦争を仕掛けた」、「キリスト教に対する不敬」などと同社へ非難の声が届いているという。
 一方で、「ハヌカ(ユダヤ教の祭り)のデザインも出すべき」、「宗教色の出ないデザインがよい」など、同社の判断に賛成する者も少なくない。
 この騒動に便乗したのが、共和党から大統領候補選出を目指すドナルド・トランプ氏だ。共和党支持者にはキリスト教の信者が多くおり、彼らの擁護することで自身の立場をより強固なものにしたい戦略が垣間見える。CNNによると、同氏は「私の所有するビルにも入る、このコーヒーチェーン店をボイコットすべきではないだろうか」と述べている。

人種のるつぼ、ニューヨークで、われわれ日本人は何を思うべきか(photo: Daily Sun)