パリで起きた同時多発テロを受け、米国のいくつかの州はシリア難民の受け入れを拒否する意向を発表しているが、ニューヨークのビル・デ・ブラシオ市長は17日、受け入れの支持を発表した。
16日の記者会見では「シリア難民受け入れ拒否の動きがあるなか、ニューヨーク市はどのような対応をするべきか」との質問に対して沈黙していた市長だが、「残虐行為やテロの恐怖から逃れた、いかなる人々に対しても国境を閉ざしてはならない。難民受け入れを拒否することは、われわれの民主主義がテロリストに屈するようなものだ」と受け入れを支持する意向を示した。
パリ同時多発テロ実行犯の遺体の近くで難民申請者のパスポートが発見されたことで、難民の受け入れを懸念する声が高まっているが、市議会議長メリッサ=マーク・ビべリト氏はラジオ局のインタビューに対し、「シリア難民申請に対する米国の審査基準は広範囲にわたり、欧州各国とは方法が異なる」と説明し、受け入れ支持を表明している。
一方、ニュージャージーのクリス・クリスティー州知事は、ラジオ番組に出演した際のインタビューで、5歳未満の孤児の受け入れについて質問され、「現段階では5歳未満の孤児でも受け入れるべきではない」と答えた。これに対してデ・ブラシオ市長は、「冷淡、薄情、差別的で、我が国の恥だ」と同知事を批判した。