ブロンクス区ベルモントのリトルイタリーであるアーサー通りでは、地元商店街が買い物客や商店を目当てに物乞いをするホームレスが急増したことに対し警備員を雇用したことから、ことしは予算不足を理由に毎年恒例のクリスマスツリー点灯式を中止することが決まった。
同区ベルモント・ビジネス改善地区(BID)のフランク・フランツ氏はこれについて、「物乞いが商店の中に入ってきたり、買い物客に迷惑行為をはたらくことが増え、7月から常駐の警備員を雇用した」と話しており、その費用が年で6万5000ドル(約780万円)かかるため、年間34万ドル(約4000万円)の総運営予算から点灯式の費用の捻出が難しくなったと説明している。
ニューヨーク市ではビル・デ・ブラシオ市長の就任後、市の行政総合窓口311番へのホームレスの苦情電話件数が急増し、市民からは同市長のホームレス対策が不十分だとの声が上がっている。当初、市長側は対策は適切だとの姿勢を崩さなかったが、世論の高まりを受け先月には「サポーティブ・ハウジング」と呼ばれる新しいホームレス対策を発表している。
なお、点灯式は中止となったが、アーサー通りの街路樹の電飾や、聖歌隊、サンタクロースの練り歩きなどは例年通り行う予定だという。