Dr. 石谷三佳 なるほど!ザ・カイロ 毎月第1月曜号掲載 VOL.59 カイロプラクターが勧める 安全な雪かきの仕方

 ありがたいことに、ことしは暖冬ですが、雪に備えてのお話です。雪かきで腰や肩、首を痛める人は多いですね。そんな時、首や肩そして腰を痛めない方法を皆さんにお教えしたいと思います。
 長年この地域に住む人は、雪かきがどれだけ大変で重労働か、そしてそのために首や腰を痛めてしまうことをよく知っていると思います。雪かきの際、通常のシャベルを使うと、雪をすくい上げる方法になります。これが腰や肩などを痛める第一原因です。雪かきを安全に簡単にするためには「a push blade with wheels」と呼ばれるシャベルに車輪が付いたものや、「a snow scoop」(日本ではスノーダンプ)と呼ばれるものを使います。これらを使うことで、雪をすくい上げるのではなく、雪を押して処理する方法になり、肩や腰を痛めにくくなります。さらに、雪が深く積もっているなら除雪機を使うことをお勧めします。シャベルで雪かきが簡単にできると思っても、思わぬところで身体を傷めたり、体力が落ちた身体は雪かきの重労働についていかないかもしれないので、無理をしないことが第一条件です。
 次がいくつかの注意事項です。これに従って首や、肩、腰を痛めないようにしましょう。

・雪が積もり過ぎないように、早めに、そして小まめにすること。2〜4インチ以上雪を溜めないこと。特に吹雪のときは頻繁に雪かきをする。
・硬くて凍っている雪は絶対に雪かきしない。軟らかい雪だけを雪かきする。
・持ち上げて雪かきするのではなく雪を押して、除雪をすること。
・雪かきのシャベルをナイフのようにシャープに保つ。
・使い勝手の良い取っ手のついているシャベルを使う。
・シャベルに乗せる雪は少しずつ。たくさんの雪をいっぺんに乗せない。
・なるべく近くから、遠い所をきれいにしようと手を伸ばさない。
・シャベルに雪を乗せたらなるべく身体の近くで支えて持つ。
・かがむときは膝を曲げて腰と首はまっすぐに。
・両足でしっかり支えてシャベル持つ。
・左右の手足を交互に使う。
・雪を投げるときは遠くではなく身体から短い距離だけ。
・頻繁に休憩を取り筋肉を休ませる。

 これらのことを心に留めながら安全に雪かきをしましょう。でももし体を痛めてしまったら、大したことはないと自分で判断せず、症状を悪化させないためにもすぐにカイロプラクティック医の診察を受けることをお勧めします。早めの正しい処置と治療が早い回復のカギです。


Dr. 石谷三佳
石谷カイロプラクティッククリニック院長。パーマーカイロプラクティック大学院卒後、ハーバード大学医学部専門課程終了。米国、米国小児、ニュージャージー、日本カイロプラクティック協会会員も務め、2008年には「Chiropractor of the Year」を受賞。寄稿著者に“Neck Pain…
You Don’t Want It, You Don’t Need It”がある。

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