ニューヨーク市警察(NYPD)の刑事が7日、強制捜査の情報を事前に知らせる代償として、カラオケバー経営者から不正な報酬を得ていた疑いで逮捕された。
NYPDに10年間勤務しているヤユ・ヤム被告(35)は2013年、ケタミンや大麻などの薬物売買が行われているとされるクイーンズ区フラッシングのカラオケバー経営者に、強制捜査が行われる前にクラブのマネージャーに知らせるので、見返りを支払うようにもちかけたという。
14年8月に同店で数人の麻薬所持者が逮捕された際には、起訴しないよう同僚の警官に働きかけ、容疑者らを釈放させた。同年9月にも、別の飲食店で逮捕された容疑者の釈放を同僚の警官に頼んだが、既に起訴手続きが完了していると知らされると、出廷命令状の発行だけで釈放するように頼んだという。
同地区で2軒の飲食店を経営する別の飲食店経営者も、ヤム被告に3年間、毎月2000ドルの賄賂を支払っていたと証言している。また同僚の警官に、特定の飲食店を捜査しないよう頼んでいた。
収賄罪や公務員職権乱用罪などで起訴されたヤム被告は、同区刑事裁判所で8日に行われた罪状認否で無罪を主張し、保釈金は2万5000ドルに設定され、勾留された。同被告は、パスポートと拳銃の引き渡しを命じられ、無給停職処分を受けた。
11日までに、同じ容疑でほかにもフラッシング第9管轄署の警官3人が逮捕されている。