特定の企業に属せずに自由に契約する、いわゆるフリーランスで働く個人事業主を守る法案が、ニューヨーク市議会に7日、提出されていたことが分かった。
法案を提出したのは、ブラッド・ランダー氏。フリーランサーの権利を守るため、雇用主が契約の詳細を明確にした契約書を作成することを義務付けるといった内容となっている。契約書の詳細として、ギャランティなどの支払い額とその支払い期限を必ず盛り込むようにとされている。提出された法案によると、違反した場合には、およそ5000ドルの罰金を検討しているという。
ニューヨークでは、およそ3人に1人が何らかのかたちで個人で事業を営んでおり、企業に所属する正社員やフルタイムなどの専任に働く従業員に比べて権利が守られない傾向にある。フリーランス労働組合によると、企業が破産を防ぐために支払いを滞らせたり、これまでに最高で1万7000ドル(約205万円)の支払いがされなかった例や、家賃を滞納したために立ち退きを迫られたが、その事実を知らされていなかったために路頭に迷うことになった事例などが報告されている。
ランダー氏は、公式発表の際に取材に対し、「ニューヨークは世界でも有数の“フリーランス都市”。フリーランサーが市場や経済に提供する能力や働きをぞんざいにしてはならない。この法案によって、フリーランサーたちの献身が世に知られることと、“ただ働き”がなくなることを望む」と述べた。
法案とともに提出された統計によると、フリーランサーのおよそ7割が支払いが遅らされた、または支払いがされなかった経験があり、毎年、平均で6390ドルを失っているという。