マンハッタン区にある精子バンクが若いドナーを探すために、ニューヨーク大学(NYU)がある同区イーストビレッジ周辺で行っているキャンペーンが物議を醸している。
精子バンクを運営するマンハッタン・サイロバンクが新たなドナーの発掘場所として注目しているのは、イーストビレッジにあるスタイブサント・タウンという巨大集合住宅地。NYUのキャンパスが近いこともあり、精子ドナーとして理想的な20〜30代の若い男性が多く住んでいるという。普段はクラシファイドサイトのクレイグズリストなどを使ってドナーを募集している同社だが、タイ・カリスキCEOは「新しいドナーを募集する場所として目をつけた」と期待を寄せている。
しかし、今回スタイブサント・タウンで配布したキャンペーン用のチラシには「精子を提供して、春休みに旅行しよう」との宣伝文句が使われており、これを見た住民からは「極めて不愉快だ」と批判の声が聞かれる。
住民の反応に対しカリスキ氏は、「もちろんお金のためだけに精子を提供するような人はドナーにふさわしくない。自分の提供した精子が1人の人間になる可能性があるということをしっかりと理解して欲しい」と説明している。
精子を提供すれば1カ月で最大1200ドル(約14万円)を稼ぐことができるのだが、キャンペーンの打ち出し方にはもう少し慎重になる必要があるようだ。