米国立衛生研究所の国立薬物乱用研究所(NIDA)が発表した最新の調査報告書によると、高校生の飲酒および喫煙の量や頻度は減少しているものの、大麻に関しては変化がみられなかったことが分かった。
8、10、12年生を対象に、酒、麻薬、たばこ、Eシガレットなどの使用量やその頻度について調べた2015年の調査では、飲酒および喫煙、処方せんが必要なオピオイド系鎮痛剤、合成大麻の使用率が全体的に減少していた。飲酒は43%から41%に減少、たばこ、ヘロイン、鎮痛剤は、ミシガン大学の研究者らが1975年に同調査を開始して以来、最低の数値を記録している。
一方、大麻使用者の割合は6%と変化はみられず、12年生では同調査が始まって以来初めて、大麻の使用率が喫煙の割合を超えた。この原因として、複数の州で大麻の使用が合法化されたことや大麻の医学的メリットの可能性を報じたメディアの影響などにより、大麻に対する危険性の認識が薄らいだことが考えられるという。
昨年の調査で、大麻の常用は危険であると答えた12年生は36.1%だったが、ことしは31.9%に減少している。だが、NIDAの所長ノラ・D・ボルコー氏は、脳が発達段階にある10代にとって、大麻は有害であると警告している。