2016年が幕を明け、新しい年を迎えました。これから寒さも本番に入り、来月2月初旬、ニューヨークではファッションウィークが開かれます。春夏に向け、ヘアスタイルの傾向も気になる時期です。新しい目標を掲げ気持ちも新たにリセットしたところで、この一年、仕事も遊びも楽しく過ごしましょう。
前回、市販のシャンプー剤について少し触れましたが、今回は洗髪剤などに入っている「シリコン」について説明します。
シャンプー、リンス、コンディショナーに配合されているシリコンは、髪の表面をコーティングし、手触りなどを良くすることが目的とされています。成分表記において、「◯◯メチコン」と表記される成分がそれに当たります。シリコンには撥水性があり、コーティングされた部分は水や汗を弾くので、ヘアケア商品だけでなくウォタープルーフのファンデーションや日焼け止めにも使用されることが多く、高価な化粧品の中にもシリコンオイルが配合されていることがあります。肌に直接つける乳液などにも配合されています。このように、シリコンは多くの製品に使われている一方で、なぜ〝悪いもの〟と扱われてしまうのでしょうか?
シリコンが肌に付着すると、コーティング力があるため毛穴を塞いでしまいます。シャンプーの場合は頭皮の毛穴が詰まることで毛髪育成の妨げになり、また顔などの肌の場合はニキビ炎症、吹き出物の原因になるともいわれています。これが本当かどうかは、配合濃度などの問題もあり分からないとされていますが、シリコン肯定派の人は、シリコンのコーティング皮膜はガーゼのような網状のため、毛穴を防ぐことはないと主張しています。
今まで頭皮や肌の炎症がなかったのに、シリコン配合の洗髪剤に変えたために肌荒れやニキビ炎症を起こした人が、ノンシリコン商品を使ったら、実際に吹き出物がなくなったという人もいます。そのようなトラブルの経験がある人は、ノンシリコンのシャンプーなどにトライしてみるのも問題解決につながるかもしれません。
サロンなどで洗髪する分には洗髪剤に含まれるシリコンが体の肌に付着することを避けられますが、家で洗髪する際は体全体の肌についてしまいます。今までの経験上、特にロングヘアの人は背中などにシャンプー、リンス、コンディショナーがつきやすいため、背中に吹き出物が出るという悩みをよく耳にします。
背中の吹き出物の回避については、シャンプー後、リンス、コンディショナーをし、塗布後放置するなど時間を置くこともあるので、髪をまとめ上げて、まずは直接肌などへつかないように気を配ります。それから体を洗い、お湯で体を流す前に頭のリンス、コンディショナーを先に丁寧に洗い流します。ボディーソープの泡が、体の肌にリンス、コンディショナーのシリコンが付着蓄積する妨げになり、背中などに出る吹き出物の炎症を避けることができ、背中美人に生まれ変わるというアイデアもあります。
自分のライフスタイルに合わせ、この新たな一年自信をもって過ごすためにも、2016年春夏に向けて、きれいな肌、きれいな髪の準備をしていきましょう。
内田龍次 Uchida Ryuji
東京の美容室「RITZ」にて店長ディレクターを務め、女優やモデルのヘアメイクを手掛ける。
ニューヨークと東京をベースにさまざまなコレクションや雑誌撮影に参加、幅広く活動している。2012年4月オープン「REBIRTH」代表。
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