ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事は8日、ブルックリン区のニューヨーク交通博物館で記者会見を開き、地下鉄駅の近代化など、ニューヨーク州都市交通局(MTA)が運営する公共交通機関に劇的な改良を加える提案を発表した。
提案は、①地下鉄30駅を部分的または完全に閉鎖し、迅速に再設計および改修工事を行う②2017年完了が目標とされていた、全地下鉄駅でWi-Fiサービスが使えるようにする計画を今年中に完了させる③メトロカードに代わるモバイル決済の導入を迅速に行う④公共交通機関利用者が携帯電話などのモバイル機器の充電を行えるUSBポートを、地下鉄やバスの車内および地下鉄駅に設置する―など。なお、現在駅を閉鎖せずに深夜と週末を使って行われている改修工事では、完成までに2~3年かかるというが、閉鎖して集中工事を行うと6週間~1年間で完成するという。
知事の提案に対し、交通機関利用者や擁護団体、業界グループからはさまざまな意見が挙がっており、MTAの利用者であり擁護団体に所属するブライアン・バン・ニューウェンホベン氏は、「知事には地下鉄の近代化よりも、電車やバスの運行本数を増やすことや定時運行に重点的に取り組んで欲しい」と難色を示している。また利用者からは、携帯電話が充電できることや、緊急時に直ちに警察に電話できることは望ましいとの声も聞かれる。