ミッドタウンの老舗高級ホテル「ウォルドルフ・アストリア」で行われていた結婚式で誤って銃を暴発させ、新郎新婦から賠償責任を問われていた男が、責任はホテル側にあるとして同ホテルを訴えていたが、マンハッタン区の高位裁判所は11日、損害賠償金のほとんどの支払い義務は男にあるとの判決を下した。
ウラジミール・ゴトリボフスキー被告(43)は2015年6月、同ホテルで行われていたアンナ・ゴールドシュミットさんとイーラン・ストラットさんの結婚式に出席していた際、ズボンのポケットに入れていた9ミリ拳銃を誤って発砲し、出席者の女性の頭部に軽傷を負わせた。同ホテルは直ちに結婚式を中止としたため、新郎新婦は、75万ドル(約8800万円)かけた結婚式を台無しにされたとして、同被告に損害賠償を求める訴えを起こした。しかし同被告は、金銭的損害および精神的苦痛の責任は同ホテル側にあるとして、同ホテルを相手取り提訴していた。
同裁判所のシンシア・カーン判事は、銃が暴発したのは同被告自身の過失によるものであることが明白なため、ホテル側に金銭的損害の責任を問うことはできないが、精神的苦痛の訴えが認められれば、新郎新婦は結婚式を中止したホテルに損害賠償請求を行う権利が生ずる可能性もあると述べた。