ブロードウェーで「地下権」をリース 劇場を持ち上げる大規模プロジェクト

 マンハッタン区ミッドタウンウエストのブロードウェーを中心とした劇場街では、これまで劇場の空中権がいくつも売りに出され、上層に高層ビルが建設されてきた。しかしこのほど、新たに建物の下のスペースを地下権としてリースする計画が承認され、不動産業界で話題になっている。
 このエリアで劇場9軒を所有するネダーランダー協会は、47丁目と7番街にあるパレスシアターを約29フィート(約9メートル)持ち上げ、下にできたスペースを商業用に貸し出す計画を発表した。
 共同でプロジェクトを進める不動産開発のメイフィールド・ディベロップメント社によると、1913年に建てられた同劇場は現在、ダブルツリーホテルの建物にすっぽり覆われたかたちになっており、ホテルとの間には三層のレンガの囲いとさらに周囲にデッドスペースもある。これを利用し、工事では建物を16台のジャッキに乗せ1インチずつ持ち上げスペースを作ると説明している。
 同工事で劇場下には地上1階と地下3階分の延べ面積、計1万平方フィート(約929平方メートル)のスペースができあがる予定で、莫大な金額のリース収入が見込まれている。
 同劇場では現在人気ミュージカルの「パリのアメリカ人」が上演されており、工事開始は数年後になると予測されている。

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