医学誌インターナショナル・ジャーナル・オブ・キャンサーが14日発表した研究結果により、膣がんの60%および肛門がんの80%はヒトパピロマウイルス(HPV)への感染が関係しているということがわかり、米疾病対策センター(CDC)は11歳と12歳の少年少女にHPVワクチンの接種を勧めている。
HPVは性交により感染し、子宮頸がんの原因となることで知られ、これまで女性だけが予防措置を講じるよう推奨されてきたが、CDCはこのほど、感染を防ぐため11歳と12歳の少年少女にも3回のワクチン接種が必要だと発表した。HPVは、男性が肛門がんや陰茎がんにかかる危険性を高め、自覚症状がない間に性交を持った複数の女性に感染させることが多い。
CDCが全米で2万565人の十代の少女を対象に実施した調査によると、53%が最低1回のHPVワクチンの接種を受けていが、そのうち、ヒスパニックが69%と最も高く、接種率が最も低かったのは、白人地域および黒人地域に暮らす少女たちだった。同研究の第一著者を務めたハンツマンがん研究所の研究員でユタ州立大学看護大学の准教授であるディーナ・ケプカ博士は、ヒスパニックのワクチン接種率が高い原因を「ヒスパニックの多く住む地域での子宮頸がんの感染率が高いため」と説明した。
米食品医薬品局(FDA)は昨年、9種類のタイプのHPVウイルスに効果がある、改良されたワクチンを承認している。