汚職政治家に年930万円の年金 有罪判決の翌日に申請

 ニューヨーク州会計監査局の発表により、汚職事件で約2カ月前に有罪判決を受けたシェルドン・シルバー元州議会下院議長が、年間およそ8万ドル(約930万円)の年金を受給することが、20日明らかになった。
 1977年からローワーマンハッタン選出の民主党州議会下院議員を務めてきたシルバー元議長は、約400万ドル(約4億7000万円)の賄賂を不正に受け取った疑いで、2015年11月、有罪判決を受けた。しかし同州憲法の規定では、有罪判決を受けた議会議員でも年金を受給できると定められているため、同氏は詐欺、恐喝、マネーロンダリングに絡む収賄を企てた罪などで有罪判決を受けた翌日の同年12月1日に、年金申請手続きを行っていた。
 同局の広報担当、ニッキ・ジョーンズ氏によると、シルバー元議長が受け取る1回目の月割年金額はおよそ6600ドル(約77万円)で、既に発給済みとみられている。
 ジャーナル・ニュースによると、同州では、元議長以外にも14人の有罪判決を受けた元州議会議員や職員に、年間総額53万1000ドル(約6240万円)の年金が支払われているという。
 ニューヨークのアンドリュー・クオモ州知事は、「納税者を欺く重罪を犯した州職員を、納税者の血税でサポートすることは道理に反する」として、州議会でことし年金法の改正を取り上げる意向であるという。