ことしに入って初となるストーム「ジョナス」は、ニューヨークにたっぷり滞在して、記録的な大雪をもたらした。23日未明より降り始めた雪は勢い衰えることなく、午前には完全に吹雪いていた。しかし、そこでへこたれず、週末の予定を簡単には変えないのがニューヨーカー。レストランには意外に人が集まったという。
ミートパッキングエリアの週末ブランチタイムは、普段なら人がたくさんだ。川に近付くと極寒だし、この日はアップルストア付近の道路もさすがにがらんとしている。しかし、すぐ近くのとあるフレンチビストロにはどんどん人が集まってくる。オーナーのベンさん曰く、「店を閉めることは考えなかった。MTAが午後にシャットダウンするといっているから、ディナーはやらないと思うけど」とのこと。ブランチの予約は、ほぼキャンセルなしだったという。
ブルックリン区ウィリアムズバーグでは、ニューヨークで初となるドーナツ・フェス2016が開催されていた。こちらも川っぺりである最悪のコンディションをものともせず、ほぼ全ての参加ベンダーが開店。また、どん欲なドーナツ好きが集まり、ホットコーヒーとともに、ドーナツもほぼ完売だったという。なぜゆえ、この天気でドーナツを食べたいのか、は愚問である。”ゼッタイにあきらめられない戦い”がそこにはあるのだ。
どんなに雪が降っても、人は腹がへるのである。ストームでレストランの予約を変えているようでは、ニューヨーカー的宮沢賢治への道は遠い。