ニューヨーク州保健局は22日、蚊が媒介する感染症ジカ熱への感染者が州内で3人見つかったことを発表したが、まん延の危険性はないという。
3人はいずれもジカ熱がまん延している国を訪れ感染し、ウイルス検査で陽性反応を示していたが、1人は完治し、ほかの2人も合併症を引き起こすことなく快方に向かっているという。同局のハワード・ザッカー局長は、「ジカ熱は感染者との日常的な接触程度では感染せず、媒体となる蚊は冬場には姿を見せないため、現時点では州内での二次感染の危険性は考えにくい」との声明文を発表した。
ジカ熱は、マラリアやデング熱などと比べ症状は軽く、感染しても発疹や発熱などの症状が出る確率は20%に過ぎないという。しかし昨年、ブラジルでジカ熱が大流行した後、小頭症を患って生まれた新生児の数が急上昇したことで、妊婦の感染と先天性欠損症の増加との関連性が疑われ、世界中の公衆衛生当局の注目を浴び始めた。
ジカ熱は、感染が始まると急速に広まり、治療法やワクチンがないため、感染が確認されている地域を訪れる際は事前に健康に関する勧告を確認し、予防接種などを受けることが勧められている。
米疾病対策センターは、妊婦は感染が確認されている地域への旅行は延期し、既にそれらの地域を訪れジカ熱のような症状が出ている場合、血液検査を受けるよう注意を促している。