ニューヨーク州都市交通局(MTA)が2012年に米東海岸を襲ったハリケーン「サンディ」の被害と老朽化による改修のため、L線のカーナジートンネルの長期閉鎖を計画していることを1月13日に発表して以降、地元住民からは反対の声が強まっている。
地下鉄が閉鎖となれば沿線のビジネスが受けるダメージは計り知れず、同28日にブルックリン区ウィリアムズバーグで行われた住民集会には、ビジネスオーナーや地域住民などが多数参加し、断固反対との姿勢を示した。
集会では、ある不動産業者の男性が「修復はまだ計画段階だが、先行き不透明として取引から手を引く顧客がおり、既にダメージが出ている」と不満を述べており、ほかの参加者からもMTAに対してさらに詳しい説明を求める声が多数聞かれた。
MTAの広報担当によると、トンネルは2本あり、同時に両方を修復する場合は18カ月の工期が必要で、これを1本ずつの修復にすると約3年の工期を要するという。同トンネルはサンディ発生時に約700万ガロン(約2600万リットル)の水が流れ込み、甚大な被害を受けた。
ブルックリン区のL線沿線には、ウィリアムズバーグやブッシュウィックなど近年人気が急上昇した地区があり、同線は市内で最も利用者が増加した線となった。MTAによると、同線の平日の利用者は約22万5000人に上る。