ニューヨーク市上空を飛ぶ観光ヘリコプターの騒音問題を解決しようと、ニューヨーク市経済開発公社(NYCEDC)とヘリコプター観光協会が協議を行い、両者が合意に至ったことを発表した。
数カ月間にわたって開かれた両者の話し合いの結果、ダウンタウン・マンハッタン・ヘリポートから離陸するヘリコプターの本数を来年1月までに約半数に減らすほか、ことし4月からはガバナーズ島の日曜日の上空飛行を禁止することが決まった。また、7月からは飛行本数や飛行ルートなどを記録した月間報告書をNYCEDCと市議会に提出することも義務付けられる。
この規定が設けられた結果、フライト本数は年間で約3万本減少する見通しだが、経済効果のあるヘリコプター観光への影響は最小限にとどめられる。さらに、ヘリポートに大気環境の計測器を設置したり、ヘリコプターの騒音を軽減する技術開発を進めるなどの施策も盛り込まれている。
ニューヨークのビル・デ・ブラシオ市長は今回の決定について、環境にも配慮し、ニューヨーカーが快適な毎日を過ごせるような規定になったと評価している。また、「本数を減らすことで、騒音に悩まされていた住民の不満を取り除きながらも、大切な観光業界を守ることもでき、皆が住みやすい街に近づいたことは確かだ」と述べた。