クレーン死亡事故繰り返さない 新・作業安全方針を発表

 7日、ニューヨークのビル・デ・ブラシオ市長は、5日にマンハッタン区トライベッカで起きたクレーン落下事故を受け、クレーンを取り扱う作業に関する新たな方針を発表した。8日より施行される。
 新安全方針では、風の強さが時速20マイル(時速32キロメートル)以上となった場合は、クレーンを使用してはならない。また、強い風が予測されるときにも、クレーンを落下の危険性のない安全な位置へ移動しなくてはならない。また、これに違反した場合の罰金額も決定された。
 このほかに、ニューヨーク市警察(NYPD)と消防局(FDNY)と連携し、クレーンを使った作業現場近くの歩行者らが事故に合わないよう体制を組む。また、建設業者は、クレーンを移動する際には、必ず地域に事前に届け出なければならない。
 デ・ブラシオ市長は、事故現場に近くで行った会見で、「強風の当日には使用が中止され、安全な場所へ移動されていたはずなのに事故は起きた。われわれは慢心してはならない。人命より大事な工事などない」と方針制定の経緯を説明した。また、市長はこのクレ−ンの位置や作業手順に不備はなかったことから、調査チームを編成し原因究明に努めていると述べた。