ニューヨーク市は、年々活発になる女性の社会進出に着目し、女性起業家育成プログラムを今春から実施する。
同市の女性起業家機関(WE)の調査によると、現在市内には約5000人の女性起業家がおり、2002年に比べ女性が運営する企業の数は約43%増加している。彼女たちは、15年には市内全体で約19万人の従業員の雇用を創出し、約500億ドル(約5.6兆円)もの利益を出している。
増加する背景としては、近年の不景気で仕事を失った女性が自ら起業するケースが多くあり、同市中小企業支援課のレイチェル・ボン・トッシュ長官は、「彼女たちが市の経済にもたらす影響は多大だ」と述べている。それでも男性起業家の数には程遠く、ビジネスの世界で問題となっている男女差を縮めるまでには依然として至っていない。
WEの調べによると、自分に自信が持てないという問題を抱え、自分を低評価し、コミュニケーションスキルに欠けていると思っている女性起業家も多いことが分かった。また起業の際に必要な、資金確保が難しいと考える人も多い。この問題を解決すべく、今春よりWEは、起業を志す女性向けのリーダーシップ育成プログラムやビジネス講座を実施するほか、既に企業している女性経営者による指導プログラムも実施し、女性起業家の育成に取り組むという。