ニューヨーク市消防局(FDNY)が、公式ウェブサイトで公表している通報から出動までの平均時間のデータを捏造していると、消防隊員らで構成される組合ユニフォームド・ファイアーファイターズ協会(UFA)が発表し、物議を醸している。
同団体の調査によると、FDNYが公表している、要請を受けてから出動までの平均時間は、全国平均と同じ5分以内。しかし、実際のところ出動要請から消防車が現場に到着するまでにかかる時間は5~8分だという。同組合のスティーブ・キャシディ会長は、「この数分の差で誰かの命が危険にさらされる可能性があることを考えると、実際と異なる出動時間を公表する行為は許されない」と述べた。
また、火災以外の緊急出動要請を受けてから出動するまでの平均時間も8分と、FDNYが発表している時間よりも3分半長いという。
これに対しFDNYは、「緊急事態への対応に関するデータの捏造などは一切行っていない」と反論しており、ウェブサイトには通報が入ってからオペレーターが電話に出るまでの時間や、消防隊員が出動までに要した時間など詳細なデータが記載されていると主張している。
ビル・デ・ブラシオ市長は2月29日に行われた記者会見で、UFAによる調査結果はずさんだと指摘しており、行政側と同組合の言い分には食い違いが生じている。