警官が夜間に各車両を巡回  殺傷事件増加に歯止めを

 地下鉄網での刃物による殺傷事件が相次いでいる事態を受け、ニューヨーク市警察(NYPD)は1日、地下鉄での取り締まりを強化すると発表した。早ければ4日ごろから、NYPDの警官およそ60人による交通特殊部隊が編成され、夜間に地下鉄車両のパトロールにあたる。ニューヨーク・ポストなどが報じた。
 特殊部隊には自ら志願した警官を採用する予定であるが、定員に満たない場合は他部署から転任が命じられる。昼間は混雑し車内を歩き回るのが困難であるため、パトロールは午後8時〜午前4時までの間に行われる。
 警官は1つの車両にとどまらず各車両を回りパトロールを行うため、地下鉄利用者はいつどの車両に警官が現れるかは予測できない。関係者によると、1980〜90年代の市では、このようなパトロールが日常的に行われていたという。地下鉄での警官の増員はこれまで治安が悪化した際にたびたび行われてきたが、地下鉄での犯罪が減少した2013年からは行われていなかった。
 ニューヨーク・ポストによると、地下鉄利用客からは「制服の警官がいれば人々は安心感を得られる」、また「地下鉄網は巨大なため、全ての路線と車両に警官を配備しない限り、実際にどれほどの効果があるかは分からない」など、さまざまな意見が上がっている。

Fabio Sola Penna