マンハッタン区のサイラス・バンス・ジュニア地区検事長は1日、公共の場での飲酒などの軽犯罪は逮捕の対象とならないと発表した。市で同区のみ、7日より施行となる。
ニューヨーク・オブザーバー電子版などによると、ニューヨーク市警察(NYPD)は今後、公共の安全を脅かさないと認められた場合、同区における公共の場での飲酒や立小便、ごみのポイ捨て、地下鉄車両間の移動などの軽犯罪を犯した者の逮捕を行わないという。しかし軽犯罪は引き続き罰金の対象となり、召喚状が発行される。
メリッサ・マーク=ビベリト市議会議長は、軽犯罪での逮捕を市全体で廃止し、召喚状の発行だけにするべきだと、以前から訴えていた。新方針はまもなく導入されるが、バンス検事長はこれにより、軽犯罪での逮捕者の数が年間およそ1万人減少するものと見込んでいる。
ビル・デ・ブラシオ市長は、「新方針の導入により、警官がより重要な任務に時間を費やすことができる。また、軽犯罪者らの不必要な拘留を防ぐことができる」との声明を発表している。
これらの軽犯罪を犯した者に、強盗など別件の重罪で既に逮捕状が発行されていることが分かった場合は、その罪状で逮捕される可能性はある。