ニューヨーク市で刃物による殺傷事件が相次いでいるが、ブルックリン区のホームレスシェルターで3日、利用者が所持していた大量の凶器が市警察(NYPD)に押収されていたことが分かった。
24時間の間に同区にある5カ所のシェルターで、十数本の短刀、カッターナイフ、草刈り用のかま、鋭利な木製のスクレイパー、全体に釘がついたベルト、長い鎖が取り付けられた壊れたモップの取っ手などが見つかり押収されている。市の条例では、4インチ(約10センチ)以上の刃がついた刃物を持ち歩くことは禁止されており、規定サイズを超えた肉切り包丁も見つかっている。
違法な刃物を所持していたこのシェルター利用者は、ホームレス対策局の安全管理者に手錠をはめられ、警察署へ連行された。シェルターの安全管理者は武器の所持が許可されていないうえ、100〜150人の利用者に対してわずか3人しか配属されていない施設もあり、安全管理者へ武器の所持を認めるよう求める声が上がっている。
市では、ことしに入ってから刃物による殺傷事件が18%増加しているが、これは路上やシェルターで生活する精神障害を患うホームレスの増加が原因であると考えられている。関係者は、「刃物による無差別殺傷事件のほとんどは、必要な精神医学的援助を受けていない情緒障がい者によるもの」と述べた。