住宅に有害塗料使用の疑い  NYCHA、虚偽申告か

 17日付のニューヨーク・ポストによると、米司法長官プリート・バララ氏は16日、ニューヨーク市住宅局(NYCHA)が運営する市営住宅に含鉛塗料が使用されている疑いについて調査するため、マンハッタン区の連邦裁判所に情報開示命令を求める申し立てを起こした。
 米政府は昨年11月、市保健衛生局(DOH)に対し、NYCHAが運営する市営住宅で暮らす血中鉛濃度が高い住民のリストならびに危険、不衛生、健康に有害な状態についての苦情に関する文書の開示を求める10ページにわたる民事事件調査文書を送達した。この文書では、血中鉛濃度が高い住民が暮らす全市営住宅の所在地や、それらの住宅で何らかの環境調査が行われたか否か、またビルに関する苦情全般についても開示を求めた。
 しかしDOHは、ニューヨーク州法が個人の医療に関する詳細の漏えいを禁じているとして要求に応じず、裁判所からの開示命令があれば、これに応じることで合意していた。NYCHAは、連邦政府の補助金を得るために虚偽申告をした疑いももたれている。
 市では328棟の市営住宅40万人以上が暮らしているが、連邦規定によると、NYCHAは公共住宅を一般的な基準に適合した、安全で衛生的で適切に修理をされた状態に保つことが義務付けられている。
 鉛は脳障害を引き起こすなど人体に有害で、市では1978年以降、住宅用塗料として使用することが禁じられている。