ニューヨーク市で昨今、女性起業家が著しい躍進を遂げている中、飲食業界などでは女性オーナーによる小規模なビジネス形態が増えていることが分かった。
都市問題を扱う非営利のシンクタンク、センター・フォー・アン・アーバンフューチャーが14日に発表した、2007~12年までの調査をまとめたレポートによると、市内で女性の経営する企業数は約41万4000社で、5年前に比べ36%の伸びを示し、毎日約60社が起業された計算になる。業種では、飲食のほかにファッション、アート、教育が多く、またハイテク製造、建設、運輸倉庫業など従来女性が弱かった分野への進出もみられる。
飲食業界においては、ニューヨークでよくみられるハイエンドなレストランというよりも、ベーカリーやケータリング、ホールセールといった業態が多い。ここ数年でも、グリニッジビレッジの「マー・ゼー・ダー ベーカリー」やローワーイーストサイドの「ダート・キャンディ」など、女性オーナーで小規模ながらも人気を博している店が目立つ。
ただ、小規模ビジネスのため金融機関からの融資が受けにくい、市の事業入札への積極的な参加ができないなどの問題点もあり、せっかく起業してもその後の成長に歯止めがかかっているのが現状だという。
同レポートは、女性による起業はもっと伸びてしかるべしとし、市の助成や金融機関による支援の拡大、育児サービスの提供、経験豊かな女性起業家によるメンタープログラムなどを提言している。