17日付のメトロ・ニューヨークによると、ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事は同日、州内において処方される処方箋の完全電子化を義務付けることを発表した。27日より施行される。
電子化された処方箋は医師から直接薬局に送られ、これにより薬物乱用や処方ミスなどのトラブルを減らすことが期待されている。また、患者はこれまで通り、自分の選んだ薬局で医薬品を購入することができる。
ニューヨーク・タイムズによると、従来の手書きや電話での処方箋は27日より違法とみなされ、違反した医師などには、罰金などが科せられるという。また全米ではほかにも、ミネソタ州が同様に電子処方箋を義務付けているが、違反者に刑が科せられるのは、米国内でニューヨークが初となる。
米国では、モルヒネのような鎮痛作用をもつオピオイド医薬品の過剰摂取や中毒死が問題となっており、こうした危険医薬品が患者へ簡単に流通しないようさまざまな取り組みが行われている。
ニューヨーク州では2013年に、処方薬乱用を減らすアイ・ストップ法案を施行していた。既に州内の6万人の医師が電子処方箋を使用しており、この完全電子化によって、同様の取り組みをさらに徹底させる狙いがあるとみられる。