23日付のニューヨーク・タイムズによると、ブルックリン区の地方検事局は同日、2014年にイーストニューヨークの公営住宅で武器を持たない黒人を誤って射殺し、ことし2月に有罪判決を受けたニューヨーク市警察(NYPD)の中国系の元警官に、実刑を科さない意向であることを発表した。
ケン・トンプソン地方検事長は、この事件を「復讐のためでなく正義のためだった」とし、4月14日の量刑言い渡しで、ピーター・リャン元被告(28)を、6カ月の自宅謹慎処分を含む5年間の保護観察処分する予定であるとの声明を発表した。
声明文は、裁判を担当したニューヨーク州高位裁判所の判事に宛てたもので、「リャン氏には犯罪歴がなく、将来的にも公共の安全を脅かす危険性はない。この事件が異例な状況下で起きたことを考慮し、実刑は必要ない」と記されていた。元被告は、第2級過失致死罪で有罪判決を受けており、15年間の実刑判決を受ける可能性もあった。
同年11月20日、同僚と公営住宅を巡回中だった元被告は、エイカイ・ガーリーさん(28)を誤って射殺した。元被告の有罪が確定すると、「米国が直面する大きな問題のスケープゴート(贖罪のヤギ)にされた」と中国系市民の間で騒動が起きていた。