架空の学校が千人に学生ビザ  おとり捜査で斡旋業者を逮捕

 5日付のABCニュースによると、3年間にわたるおとり捜査により、1000人以上の外国人に不正に学生ビザを取得させていた、ニューヨーク、ワシントン、ニュージャージー、バージニア州の斡旋業者21人が、査証詐欺罪などで逮捕されたことが分かった。
 米移民税関捜査局(ICE)内の国土安全保障捜査局(HSI)は2013年9月、捜査のためにニュージャージー州クランフォードを住所とするノーザン・ニュージャージー大学(UNNJ)という架空の学校を設立。フェイスブックのアカウントやウェブサイトを作成して入学希望者を募り、斡旋業者が集めた学校へ通う意思はないのに学生ビザを取得し米国での滞在を希望する1076人に、学生ビザを取得するための書類を発行し、数百人に就労許可証を発行した。
 「ペイ・トゥー・ステイ」と呼ばれるこのような査証不正取得につき、ICEおよびHSIは共同で捜査を進めていた。事務局員は全て当局の捜査官で、授業は一切行われなかったというが、斡旋業者や外国人生徒らは、これが架空の学校であることには気づいていなかったという。
 不正にビザを取得した外国人には、中国人やインド人が多く、共犯の罪でICEによる行政処分としての身柄拘束を受け、入国管理局による手続きを経た後、国外退去処分を受けるものとみられる。