4日付のニューヨーク・デイリーニュースによると、政府が運営する高齢者向け医療保険制度(メディケア)に、ニューヨーク市消防局(FDNY)が、適用外の費用を不正に請求していたことで市は3日、連邦政府に430万ドル(約4億6千万円)を支払うことで和解した。
FDNYがメディケア受給者による救急車利用にかかった費用をこの制度で返還請求できるのは、制度の基準に該当する治療が必要な緊急の患者に呼び出された場合のみと定められている。しかしFDNYは2008年~12年の間に、政府が定めた基準に該当しない場合でも、救急車の出動にかかった費用を申請し、払戻金を受け取っていたため、マンハッタン区の連邦検事局に詐欺罪で起訴されていた。
市は12年、メディケア受給者による救急車の利用について、請求に誤りがあった可能性があることを自発的に同検事局に伝えていたという。同制度への請求手続きは、FDNY以外の第三者機関により行われているが、これが誤った請求につながったものとみられている。
検事局への報告後、市は調査に全面的に協力し、13年9月には不正請求の再発防止のため方針を修正し、誤りがあった場合、直ちに修正するように手続きを厳格化している。