10日付のニューヨーク・デイリーニュースによると、マンハッタン区に140棟のアパートを所有する家主が9日、詐欺などの罪で刑事および民事起訴されたという。
スティーブ・クロマン被告は、家賃所得を偽り4500万ドル(約50億円)もの貸付金を得ていた疑いで、住宅ローンブローカーのバリー・スワーツ被告とともに、20にも上る訴因の重罪でマンハッタン区の刑事裁判所に起訴された。クロマン被告は無罪を主張し、50万ドル(約5470万円)の保釈金を支払い釈放された。
クロマン被告は同時に、脅迫や偽の訴訟などの手段を用い、法で規制された安い家賃で部屋を借りているテナントを追い出すために、長期にわたり、テナントへの嫌がらせを続けていた疑いで、民事起訴された。同被告は、最近になり家賃が高騰したローワーイーストサイドなどの高級住宅化が進む地区を中心に、ニューヨーク市警察(NYPD)の元警官を使ってテナントを脅かしたり、テナントを追い出した従業員に報酬を与えるなどしていたという。また、テナントの部屋の周辺で破壊を伴う工事を始め、テナントを危険な状態にさらすなどしていた。
捜査を続けていたニューヨーク州のエリック・シュナイダーマン検事総長は、同被告を史上最大の金融詐欺事件を起こしたバーニー・マドフの「家主版」と批判した。