2日付のNBCニューヨークによると、1955年にトレードショー会場から盗まれた、米国で最も有名な逆刷りエラー切手、「逆さのジェニー」の1点が61年ぶりに見つかり、所有者の元へ戻るのだという。
1910年代初頭から郵便物の航空輸送を行っていた米郵便公社は、18年、ニューヨーク、フィラデルフィア、ワシントンD.C.を結ぶ定期路線開設を記念して24セントの切手を発行した。赤色の枠を刷った後、米国で初めて量産された飛行機「カーチスJN-4」、通称ジェニーという双翼機を青色で中央部に刷るのだが、その際に4枚のシートが誤って逆に差し込まれエラー切手が生まれた。ジェニーは逆さで、「宙返り24セント」とも呼ばれたという。このうち3シートは廃棄処分となったが、残りの1シート、100点の切手は流出し、1点で数十万ドルもの価値があり、収集家の間でお宝となっていた。
2点は既に発見されており、ことし4月、相続により入手したという男性がオークションハウスへ1点を持ち込み、これが3点目と判定された。マンハッタン区で行われたトレードショーで、正式な所有者である米国切手収集リサーチ図書館に返却されることが決定した。
この男性には、切手ディーラーから謝礼金が贈られるという。