先日、私の父が歯の定期健診でクリニックを訪れました。いつもしっかり歯や歯茎の手入れをしている父ですが、今回は診療台で口を開いた瞬間に、「これは大変!」と思いました。口内が木綿のハンカチーフのように乾いてしまう「ドライマウス」になっていたからです。心配になって、問診表を確かめたところ、父の服用している飲み薬の量が2種増えていました。すぐに父のかかりつけの医者に電話をしてコールバックするようにメッセージを残しました。口の中がこんなに渇かないような薬に変えてもらえるよう願っています。
口内が乾いてしまう副作用のある飲み薬は、500種類以上あるのです。私の父のように、そのような薬を2種以上同時に服用することで、ドライマウスになる可能性が40%も増加します。そもそもドライマウスは、こうした飲み薬の副作用が原因で起こるものですが、場合によってはほかの病気やがん治療などが原因で発生することもあります。
いったんドライマウスになると、ドライフードが食べられなくなる、話しづらくなる、入れ歯がはめられなくなる、口臭が強くなるなど、さまざまな支障が起きますが、歯医者として何より心配なのは、唾液が出なくなることによる歯への影響です。自然に歯を守る役目を持つ唾液が減ると、むし歯になる可能性が急増します。父も、6カ月前の検診では大丈夫だったのに、今回はむし歯が2本もありました。これはすぐなんとかしなくては、と父になるべく頻繁に水を飲み、カフェインの入った飲料は避けるように、そして砂糖やアルコールの摂取も減らし、歯を清潔に保つようにと注意しました。
口の中を清潔にする具体的な方法としては、ドライマウスの症状の緩和を助ける「バイオティーン」(BIOTENE)の商品を使うことです。まずバイオティーンの歯磨き粉で朝晩歯を磨き、食後はバイオティーンのうがい薬で口をゆすぐ、さらに外出時はバイオティーンのジェルやスプレーで口の中の湿気を保つことが必要です。
父をむし歯から守るには、周りの人や優れたケア商品の力を借りる必要があります。なんとかむし歯を食い止められればと願っています。
Waterside Dental Care
Dr. クララ・リーClara Lee, DDS
ニューヨーク大学歯学部卒業。ニューヨーク大学ブルックデール病院ではチーフレジデントを経験するなど、20年に及ぶ臨床経験は、一般歯科、コスメティック、インプラントを含む。インビザライン認定医。Waterside Dental Care医院長として古山医師とともに、多くの日本人患者を治療。Dentistryをこよなく愛している。
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