6日付のニューヨーク・デイリーニュースによると、空き部屋を旅行者に貸し出しているマンハッタン区アッパーウエストサイドの低所得者向けワンルーム宿泊施設が、ニューヨーク州法に違反するとして、6万5千ドル(約700万円)の罰金処分に直面しているという。
ニューヨーク市当局は5月10日、227室のうち99室を旅行者に貸し出していた、西79丁目のインペリアル・コートを5件の違反処分とした。空き部屋シェアサイト「エアビーアンドビー(Airbnb)」などのサイトを取り締まるために2011年に制定された違法ホテル法では、ビルの所有者が30日間未満の短期間、部屋を貸すことを違法と定めている。同時に、低所得者向け住宅の減少防止も目的としている。
しかし、市の条例では、同ビルのようなSROと呼ばれるキッチンやバスルームを共有するワンルームの宿泊施設では、1週間以上であれば部屋の貸し出しが許可されている。同ビルの家賃は月に約400ドル(約4万3000円)からだというが、旅行者に貸すほうが利益になるため、ビル所有者は旅行者を優遇する傾向にあるという。
同ビル側の弁護士は、同ビルはSROであり部屋の貸し出しは合法なはずと主張し、第一審ではこの主張が認められたが、3月の控訴審で覆され、ビル側は現在、再審または上訴を求めている。