“ウラのカネ”を地域に活用 ハーレムの体育館をリニューアル 

 7日付のニューズデイによると、マンハッタン区ハーレムにあるコミュニティセンター体育館の床が30年ぶりに張り替えられ、電光掲示板も設置された。これらの費用は全て、麻薬ディーラーから没収した金で賄われたという。ニューヨーク市警察(NYPD)アスレチックリーグのプログラム運営費や備品も含めると、合計3万2千ドル(約340万円)に上る。
 7月に行われたオープニングセレモニーで、同センター長のエリジャ・ブルックス氏は、「きれいになって、利用する子どもたちも喜ぶだろう」と述べた。オープンを待ちきれない子どもたちが行列を作り、子どもたちはさっそく初日にNYPD32分署の警官とバスケットボールを楽しんだ。
 ゲームに参加した、大学進学を目指す18歳の男性は、警官のシャノン・マイヤー氏(33)が自身のメンターであるといい、「何かと声を掛けてくれて、頼れる相談相手」と語る。マイヤー氏は、「子どもたちとスポーツを通して信頼関係が生まれ、問題を起こす前に指導ができる」と語る。
 スパニッシュハーレム出身で、同署に勤める刑事のサル・クラーク氏(34)は、父親が銃殺された後、近所の警官が面倒を見てくれたという。「警官への恩は一生忘れない」と語り、 「スポーツをきっかけに、地域の子どもたちに恩返しができれば」と述べた。